こんにちは、スピードハウス野口です。
皆さんは、「福祉車両」と聞くと、どんなイメージをお持ちですか?「選べる車種が限られている」「本当は乗りたい車があるけど、福祉車両のグレードがないから諦めている…」そんな風に感じている方も少なくないのではないでしょうか。好きな車で、行きたい場所へ自由に出かけたい。その当たり前のようで、実は難しい願いを叶えるのが、私たちの仕事です。
先日も、まさにそんなお悩みを持ったお客様がご相談に来られました。今回は、トヨタの高級ミニバン「アルファード」を、お客様の願いを叶える特別な一台に改造した時のお話です。
「好きな車に乗る」を諦めたくない!という強い想い
ご相談に来られたお客様は、ご家族の送迎のために福祉車両を必要とされていました。しかし、既存の福祉車両のラインナップを調べてみると、なかなか希望に合う車種やグレードが見つからない…。せっかく毎日使う車なのだから、デザインも、乗り心地も、装備も、妥協したくない。そんな想いから、トヨタのアルファードを福祉車両にできないかと、私たちにご相談くださったのです。
「アルファードのような車を福祉車両に改造できるなんて知らなかった」とお客様。そうなんです、実は後付けの装置を使うことで、様々な車を福祉車両として使えるように改造することができるんです。お客様のその想い、私たちが全力で形にします!と、お約束させていただきました。
お客様の願いを叶える2つの装置
今回、お客様の希望を叶えるために私たちが提案したのは、2つのリフト装置でした。
一つは、車いすから車のシートへ安全に移乗するための「パーソンリフト」、アームが伸びて、専用のスリングシート(吊り具)で体を優しく吊り上げ、セカンドシートへスムーズに移乗させることができます。介助する方の負担を大きく減らせるのが特徴です。

アルファードにパーソンリフト取り付け

アルファードにパーソンリフト取り付け
そしてもう一つが、車いすをラゲッジスペースに収納するための「カロリフト40」です。これは簡易的な電動クレーンのような装置で、スイッチ操作一つで重たい電動車いすも軽々と吊り上げて、車内に収納してくれます。

アルファードにカロリフト取り付け
この2つの装置があれば、お客様が憧れていたアルファードでの快適なカーライフが実現できる。そう確信して、改造に取り掛かりました。
純正シートの乗り心地は、やっぱり最高!
いよいよ改造が完了し、お客様に納車の日がやってきました。完成したアルファードを見て、お客様は本当に嬉しそうな表情を浮かべてくださいました。
実際にパーソンリフトを使ってシートに座られたお客様から、こんな言葉をいただきました。
「今まで車いすのまま乗れるスロープタイプの福祉車両も検討したけど、やっぱり車の純正シートは乗り心地が全然違うね!これなら長距離の移動もすごく楽になりそう。本当に嬉しい!」
この言葉を聞いて、私も胸が熱くなりました。そうなんです、車メーカーがこだわり抜いて作ったシートは、座り心地や体のホールド性が全く違います。特にアルファードのような高級ミニバンなら、その差は歴然です。車いすのまま乗車するタイプには手軽さというメリットがありますが、移動中の快適性や体の負担を考えると、純正シートに座れることの価値は計り知れません。
お客様がこれから、このアルファードでたくさんの場所に出かけて、素敵な思い出を作ってくださることを想像すると、私までワクワクしてきます。
私たちは、単に車を改造するだけではなく、お客様の「こうしたい」「ああなりたい」という想いに寄り添い、その方の人生がもっと豊かになるためのお手伝いをさせていただいているのだと、改めて実感した仕事でした。
福祉車両のことでお悩みなら、諦めてしまう前に、ぜひ一度私たちにご相談ください。あなたのための特別な一台を、一緒に作り上げていきましょう。